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もし強度の近視などでレーシックやPRKが不適応だった場合、メガネなしでもハッキリ物が見えるようになりたいとお考えの場合、「フェイキックIOL」という別の屈折矯正手術の適応かもしれません。


フェイキックIOLとは?


フェイキックIOLはコンタクトレンズと同じ方法で視力を矯正します。コンタクトとの違いはフェイキックでは目の中に永久にレンズを入れてしまう点です。フェイキックとは有水晶体(水晶体を残す)という意味です。「フェイキック(有水晶体)」と「アフェイキックレンズ(無水晶体)」」という言葉はよく混同されます。アフェイキック(無水晶体)レンズは白内障手術で行われる手法で水晶体を除去して新しい人工レンズと交換します。IOLとは、「IntraOcular Lens(眼内レンズ)」の略で、小さなレンズを移植します。つまりフェイキックIOLの意味は水晶体を残したまま、人工レンズを目の中に移植するという意味です。フェイキックIOLはレーシックが不適応な方(角膜が薄い、屈折異常が強過ぎる等)に人気の手術です。フェイキックIOLにはICL(implantable collamer lens)とPRL (phakic refractive lens)があります。


適応者とは?

レーシックが不適応で以下の場合、IOLによる屈折矯正手術を考慮します:

  • 重度近視、重度遠視の場合。
  • 重度乱視の場合。
  • 角膜が薄い。
  • 重度ドライアイ。
  • 年齢21歳〜55歳で、前房の深さが3ミリ以上であること。

長所とは?
  • 適応の幅が広い。
  • 副作用が少ない。
  • 目に優しいレンズ生体適合性材料を使用。
  • レンズは小さく折り畳めるので挿入が容易。
  • 縫合不要な小さな切開口。
  • 角膜組織に変化を加えない。
  • 他の屈折矯正と組み合わせ可能。
  • レンズの取出しが可能なので、必要に応じてレンズ交換が可能である。

手術の手順について

個人にあったレンズをオーダーする為にいくつかの目の検査が必要です。リスクの少ない手術なので外来手術で行われ、入院の必要はありません。フェイキックIOLの手術では二つの主なステップが必要です。
  1. YAGレーザー
    手術後に眼内の水の流れが悪くなって眼圧が上昇するのを防止するための処置として手術前一週間前までに、「YAGレーザー」で周辺部の虹彩に2〜3つの小さな穴を空けます。穴を空けることにより、レンズ挿入によって眼圧が上昇するのを防ぎます(虹彩切除術)。
  2. レンズのオーダー
    一人一人の屈折度数や眼球形状にあったレンズをオーダーします。 オーダーを行い、1〜3ヶ月後にレンズが到着したら、実際のIOL挿入手術を行います (手術は両眼同時に行うことはできません) 。手術前に、レンズのオーダーが必要なので、眼検査が必要になります。
  3. 眼内レンズを挿入
    レンズは折り畳めるようにデザインされていて、眼の外部から角膜の小さい(3〜3.5ミリ)切開口から容易に挿入出来ます。切開口は自然に塞がり、縫合の必要はありません。挿入後、レンズは徐々に広がり、虹彩の後ろと水晶体の前の間に配置されます。ここに配置することにより、外からレンズが入ってるかどうか裸眼では見えません。
手術では局部麻酔を使用し、術中の不快感を最小限に抑えます。フェイキックIOL手術は外来処置で約30分ほどですが、準備を含めて所要時間は数時間かかり、瞳孔径を広げる散瞳剤の点眼も行いますので、車の運転はお避け下さい。手術は片眼ずつ行います。視力回復と安定に多少時間がかかるため、両眼同時には行いません。片眼を手術してから、もう片方の手術を行います。術後、完治してから、もう一方の眼にレンズを挿入します。通常治癒期間は1週間です。


手術について

手術前適性検査の後、眼内レンズを屈折度数に応じてオーダーします。このレンズオーダーはレンズの度数にもよりますが約3週間ほどかかります。乱視治療用のトーリックレンズをオーダーする場合は約6週間ほどかかります。両眼を行う場合には片眼ずつ行い、もう片方の目を行うまでに一週間の間を空ける必要があるので全工程が約5週間、乱視がある場合は約8週間かかります。

もしも将来、近視など残っている場合は眼内レンズを交換する二度目の手術が可能です。そうでない場合もレーシックやPRKなどによって矯正も可能です。

眼内レンズでは老眼は矯正出来ません。加齢と共に、四十歳を過ぎた頃から徐々に近くの小さい字が見えづらくなってきます。フェイキックIOLを受けた患者さんでも普通の視力の方と同様にこの症状が起きてきて、老眼鏡が必要になってきます。


術後検査について

フェイキックIOL手術後はきちんと定期検診をお受け下さい。この検査ではきちんと治癒しているかを確認し、引き続き必要なケアを行っていきます。術後検査のスケジュールは以下の通りです。
  • 翌日
  • 一週間後
  • 一ヵ月後
  • 三ヵ月後
  • 一年後
担当医が場合により投薬量を調整し、必要であれば診察回数を増やします。もう一方の眼にICLが必要であれば一週間後の定期検診時に診断します。

手術後はガイドラインと制約があります。術後二週間の注意事項は以下の通りです:
  • 水泳禁止、眼に水が入らないようにする。
  • 発汗しないように行動を制限する。
  • 体力的負担になる行動は避ける。
  • 激しい咳、くしゃみはしないように気をつける。
  • 頭を振る、下を見る行動には十分に気をつける。
  • 階段には気をつける。
  • 料理や掃除は避ける。
  • 消化の良い食事を摂る。
  • アイメイクをしない。
  • 幼児やペットとの遊戯は避ける

起きやすい合併症について

他の手術同様、フェイキックIOL手術でも合併症や副作用は起きる可能性はあります。リスクと成功率は挿入するレンズやその方法によっても異なります。詳しくは手術前適性検査で医師とご相談下さい。主な合併症は以下の通りです:
  • レンズ の再配置
  • レンズのずれ
  • レンズ混濁
  • 眼圧の急上昇
  • 炎症・感染
手術後、一時的な眼圧上昇により場合によってめまいを経験することがありますが数時間後次第に治まります。

手術前の検査時にフェイキックIOLのリスクや長所についての説明し、自身にとって適切な治療法であるかの決断のお手伝いをいたします。
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Lasted Update: 6/Oct/2008